【手術直前の息子との会話】4才長男の扁桃肥大&アデノイド肥大について④

息子は4歳、幼稚園の年中さんなのだが、
「私から離れて何かをする」ということを嫌がることが多い。
例えば何か習い事の体験をするにしても、
私から離れるとわかると嫌だと激しく拒否する。

そんな息子が、私と離れて手術室に向かうことはできるのか。
不安しかなかったが、どうか大泣きで無理矢理連れていかれるという事態は避けたい。。

ニコニコバイバイで別れられるように、
息子としっかりと話す時間を作った。

結果、息子の心の成長を間近で見れた貴重な1日になった。
どんなことを話したのか、記していきたい。

もうすぐ手術

朝7時。2時間後の手術まで、もう飲食は禁止。
息子はパーラービーズ(アイロンビーズ)に取り掛かっていた。

息子は私と離れて手術室に行くことをまだ知らない。
気持ちの整理ができてから手術に挑む方が彼には合っているだろうと思い、
これからの予定を伝えることにした。

「手術室へは、ママと離れて看護師さんと一緒にエレベーターに乗って行くことになる」

息子の目からどんどん涙が溢れる。
「嫌だ!ママと行く!それなら手術しない!!」
そこから1時間半、大泣きしたり、暴れたり、シクシクしたり。
いろんな気持ちが彼の中で大爆発していた。
でも、手術20分前、息子は急に落ち着き出して、私から離れ、勇敢に手術室へと向かっていった。

この2時間、私は息子ととても濃い時間を過ごしたと思う。

手術2時間前に話したこと

大泣きしている息子に話した内容は、

  1. なぜ君は手術する必要があるのか
  2. 手術した場合としない場合の今後の人生の違いについて
    そして君はどちらの未来がいいと思うか
  3. 24時間のうち、手術を行う(ママから離れる)時間はたったの2時間ということ
  4. 「自分だけなんで」と思わないでほしい。
    いろんな人がいる。風邪をひかない人なんていない。
  5. 逆転の発想を持とう
  6. りゅう君との会話「勇気の充電について」

大きく分けてこの6点である。

1.なぜ君は手術する必要があるのか

私の喉と、息子の喉の違いを絵に描きながら説明した。
(その中で、「喉ち⚪︎こ」の絵を描いたら少し笑っていた)
ちなみにこの話は、2日前にも家で話している。

君の喉のトンネルは、とても狭く酸素が通りにくい。
その原因は喉の中の左右にあるお肉(扁桃腺)が、大きいからだ。
今、このお肉はどんどん大きく成長している。
このまま成長が進めば、喉のトンネルが塞がってしまう。
すると、息ができずに倒れてしまい、救急車で運ばれることになる。

そうならないために、手術をしてそのお肉を取る必要がある。

2.手術した場合としない場合の今後の人生の違いについて

これはフローチャートを書いて話した。
今回2時間の手術を頑張った場合の未来と、
手術をしない選択をした場合の未来。

息子が一番不安に感じているのが、「ママと離れること」だったので、
どちらの選択をするとどれだけママと一緒の時間が多いかを中心に話した。

3.24時間のうち、手術を行う(ママから離れる)時間はたったの2時間ということ

息子は「時間」について、まだ感覚が分かっていないところがある。
手術をする2時間というのはどのくらいか、というのを
なんとなくでいいから分かってもらえたらと思い、そちらは24時間時計の絵を描いて説明した。

1日は24時間あって、
息子は10時間寝ていて、1時間かけてご飯を食べていて・・・
という風に。
その1日の内の、手術をしてママと離れる時間は経ったのこれだけなんだよ。
ということを伝えた。

4.「自分だけなんで」と思わないでほしい。

辛いことがあると、どうしても「なんで自分だけ・・・」と考えてしまいがちである。
でもそうではないんだよ、ということを伝えた。

これは息子も私も大好きな「Bluey」(ブルーイ)
というオーストラリアのアニメで参考になるお話があり、そのお話を交えながら息子と話した。

「病気なんて怖くない」

ストーリーをざっくり話すと、
ビンゴという女の子が入院していて「まだ退院できないの?なんで私だけ・・・」と
ママに問いかける。
そこにいいタイミングで、パパからメールが届く。
そこには動画がついていて、それは家族みんなである劇を演じているものだった。

そこでは、主人公の子の大切な子犬が病気になってしまう。
主人公はどうにか子犬を治すために、
町の長老の元に行って、「子犬の病気を魔法で治してほしい」と頼む。

長老は「紫のパンツを持ってきて。ただし、今まで病気になったことのない子のパンツよ」と伝える。

主人公は紫のパンツを履いている多くの人に「病気をしたことはあるか?」と問いかける。
しかし、みんな何かしらの病気にかかったことがあり(もちろん自分も)、
なかなか「一度も病気になったことのない子のパンツ」は見つからない。

そこで主人公はハッとする。
「長老が教えようとしてくれたのは、みんな必ず病気になる。
病気になるのは生きてるってことなんだ!」と。

それからは、子犬といる時間を楽しく過ごすことにし、
気づけば子犬の病気は治っていた。というお話。

最後演じていた家族が全員出てきて
「待ってるよ!ビンゴ!」とメッセージを送るシーンで私はいつも涙してしまう。

このお話にあるように、自分の現状に悲観するばかりでなく、
俯瞰的に物事を捉えることができたら、前に進む勇気が出るのではないかなと思いこの話をした。

5.逆転の発想を持とう

ここまで息子とお話して、息子も手術をするのが自分にとっていいことなんだと理解してくれた。
ただ、やっぱり不安になるのはもちろんで、
「わかってるんだけど、涙が出るんだよ」と感情が爆発していた。

そりゃあそうだよね。。私だって30前半で初めて帝王切開の手術を受けたけど、
不安で怖くて仕方がなかった。
息子はまだ4歳。
どれだけの恐怖を感じているのか。
私も感情的な人間なので、息子のその気持ちが痛いほどわかった。

あと手術まで30分って時に、「逆転の発想」の話をした。

「手術をする」というGOALは決まっている。
(この時点で、息子もその選択をするべきだと思っている)

そのGOALに対して、不安があって涙が出てしまう。
それは当たり前の感情であり、そんな自分を受け入れてあげてほしい。
泣いたっていい。

ただ、GOALに向かって同じ時間を過ごすなら、
楽しい気持ちで過ごした方がHappyなんじゃないかな?と。

今の不安な気持ちを受け入れたら、
そこからは逆転の発想!

「手術を受けるなんてなかなかできない。手術室にはどんな道具があるか見てみよう!」
「手術室に向かう人だけが乗れるエレベーターはどんなかな」
そんなことを考えてみよう!という話をした。

「そんなのできないよ!!」と泣いて怒りながらも、
徐々に落ち着いてきて、急に泣き止み、やりかけだったアイロンビーズをやり始めた。

6.りゅう君との会話「勇気の充電について」

そして、息子は相棒のぬいぐるみ(エルマーの冒険に出てくるりゅう)に、
「今勇気の充電中なの」って小さな声で話してて。

りゅう君から「僕の勇気を分けようか?」って言ったら、
「それはりゅうくんが使って。○○ちゃんのは今0だけど、ためてるところだから大丈夫」
って。

そのあと、りゅう君から勇気の出し方を伝えた。
「8秒かけて息を吸って、また8秒かけて息を吐くと
嫌な気持ちもスッキリして、勇気が出るんだ!」と。

息子とりゅう君で一緒にやり、またお話していたところに
ドアのノックがなった。

息子は落ち着いた声で「もう行くのか。嫌だな。」と言っていたが、
しっかりと現実を受け入れて前に進もうとしているのが分かった。

不安な顔をしながらも、私から離れて看護師さんと手術室に向かって行った。
(まさかの相棒のりゅう君も一緒に行ってOKだった)

私にニコニコバイバイしながら去っていった息子。
初めてみる息子の勇敢な姿だった!!!

最後に

息子に対してこんな偉そうに話してしまったが、
実際はどれも私も出来るようになりたいと思っていることばかりである。。

それを息子はこの短時間で理解してくれて、
現実を受け入れて一歩進んだのである。
素晴らしいよ。よく乗り越えたよ。

そんな息子を私は心から誇りに思う。

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