子どもの行き渋り

子どもの行き渋り

我が家の長男は年少3学期に行き渋りがあった。
この「行き渋りについて」は初めの頃と今ではだいぶ捉え方が変わってきているので、
その点を整理して話していきたい。

年少3学期に始まった行き渋り

我が家の長男は、思っていることを言葉で表現するのが上手である。

例えば年少1学期、長男は眠いのに頑張って目を開けようとしていた。
理由を聞くと、「眠くて寝たいけど、目を閉じたら明日がきちゃうから嫌なの。」と。
当時3才だったが、気持ちを上手に表現するなあと思った記憶がある。
(この時は行き渋りというか、初めての集団生活に慣れていない状態だった)

そんな状態で嫌がりながらもだんだんと園生活には慣れ、お友だちもできて楽しんでいる様子だった。
しかし3学期が始まり少し経った頃、急に半月ほど幼稚園に行けなくなったのである。

年中さんになるというプレッシャー

初め長男は「行きたくない!」と駄々をこねていた。
理由を聞いても何故か黙ったまま。

話を変えたり楽しませようとしたりと色々と試みたが、イキのいい魚のようにピチピチはねて大泣きするばかり。結局園には体調不良と言って休ませた。(嘘も方便)

そして落ち着いた頃に「◯◯ちゃん(長男の名前)はお着替えが遅いの。。。」とポツリと呟いた。
もしかしてこれが行きたくない理由なのか?ザワザワ

長男は自分のことは自分でしたいタイプで、お着替えも早いうちから一人で出来ていると先生から聞いていた。
(お着替えが一人で出来る・出来ない、早い・遅いなんてどうでもいいがな)

長男には「遅いと思うならお家で練習しよう。」と伝え、本人も納得。
(確かに制服のサスペンダーがちょっと難しい)

そして長男がお昼寝したタイミングで先生にお話を聞くことにした。

先生から聞いた内容は
・年少3学期は年中さんになるための準備を始める。
そのため「自分のことは自分でしよう」と伝えている。

・長男はお着替えは一番最後まで残ってしまっている。
混乱しているのを先生がフォローしようとしても「自分でやる!」と言って最後まで残ってしまう。

・補助の先生たちが「◯◯くん、がんばれー!」と応援しているが、もしかしてプレッシャーになってるのではと心配していた。

とのこと。
補足すると担任の先生は本当に子ども達をよくみてくれる素敵な先生。
今回のこの件についてもとても心配してくれ、フォローしますと言っていただいた。

長男の言葉と先生が心配していた点が一致していたため、多分これが原因だろう。
そう言えばもともとプレッシャーが苦手なタイプだったと気がついた。
プラス、これから年中さんという新しい環境になることへの不安もあったのだと思う。

兎にも角にも原因が分かってホッとした。
(長男がしっかり自分の気持ちを理解して吐き出せて偉いなと思った。)

厳しくするべき?不登校になる?

原因が分かったので今後の対応を夫と決めた。
・家でお着替えの練習をする
・先生に年中までにできるようになった方がいいことを聞く
・「休みたい」なら休んでリフレッシュしたらいい
確かこんな感じである。

ただ、それから息子は一日置きくらいのペースで「行きたくない」と駄々をこねるようになる。
「味をしめた?甘やかしすぎなのか??」と私自身もブレブレ。

「いいんだ。息子の気持ちを尊重して甘やかしていいんだ。」と分かっているのに、
頭の片隅で「親として厳しくするべきなのか?これは不登校になる前兆なのか?」と変な考えがチラつく。

子どもを尊重し、甘やかそうと決心

でも、幼稚園にいった日は「楽しかったー!」と帰ってくるし、休む日はひたすらやりたいことをやって満足気。問題ない気がする。
そんな時におかあさん(夫母。義母という言葉が好きでない)から
たっぷり甘えさせて しあわせ脳を育てる!6歳までの子育て」という本を教えてもらう。
私はこの本を読んで、「このままでいい!!甘やかしていこう!」と強く思えた。

一部抜粋

親になるというのはどういうことなのでしょう?私は親というのは「目の前の我が子の要求を満たすために自分の要求を後回しにできる、いさぎよい、包容力のある大人のこと」と考えています。

たっぷり甘えさせて しあわせ脳を育てる!6歳までの子育て
著者:渡辺久子
出版社:カンゼン

(いさぎよい包容力・・・ほしー!その包容力ほしー!鍛えたいー!)

それからは、長男が「休みたい」と言えば休ませた。
もちろん理由は聞いて真剣に話し合いはする。
(今のところズル休みしたくて言っているという感じではない。)
合計半月ほど休み、そのまま春休みに入り、4月がきた。
年中さんがスタートする。

「今日は疲れてるの。幼稚園いけないの。」

長男は初日から笑顔で登園した。
いい先生と環境に恵まれ、園生活を楽しんでいるご様子。

新生活に慣れてきた4月の末、朝起きてきた長男は開口一番に
「今日は疲れてるの。幼稚園行けないの。」と。
前回のように泣くわけでもなく、真剣な表情で訴えてきた。
理由を聞いても「疲れている」の一点ばり。

前日も楽しく園から帰って来たし、睡眠時間もいつも通りで特別変わったことはなかった。
でも、長男のいつもと違う訴え方にとてもびっくりしたのを覚えている。

取り敢えずその日は体調不良を理由に幼稚園はお休みした。(嘘も方便)
息子にそれを伝えると「ありがとう。」と言い、嬉しそうに今日は何して遊ぼうかと考えていた。
結局その日にしたのは、
・早朝からお庭へジュースを持っていき日光浴びながらのプラレール(意識高い系かて)
・発明家ごっこ(ダンボールやガムテープで発明品を作るのにハマっている)
・パフェ作り
などなど。

前回同様1日中とても満足気で、
その日は寝るときに「今日は最高の1日だった!ままありがとう。」と言葉にしてくれた。(母泣く)

そして次の日の朝は「今日は幼稚園いくよー!!」と元気に登園していった。
その後GWで長期休みに入るのもあり行き渋りがはじまるかと思ったが、現在も普通に登園している。

その時に思ったのは
長男は、本当にただただ「疲れていたんだな」ということ。


長男は、集団行動が疲れるタイプなんだと最近になって分かってきた。
子どもだって新しい環境やプレッシャーに疲れることあるよね。自分もその経験があるのになんだか大人になって忘れてしまっていた。


長男はしっかり自分自身を理解し、メンタルコントロールできている。
親ながら感心する出来事だった。
(ちなみに私は疲れていてもそのままスルーし続け、溜まりに溜まって爆発するタイプ。見習いたい。)

「無理にでもいかせるべき」という声に対する思い

行きしぶりについて人と話すと、「でも休ませるのは幼稚園までだよね。」「小学校に入ったら勉強についていけなくなるよ。」という声もあった。
それについては正直なってみないと分からない。
でも、子どもがSOSを出しているなら寄り添える親でありたいと思う。

育児方針について見つめ直すきっかけになった

もともと子どもを尊重した子育てをしていきたいと思っていた。
しかし幼稚園という社会が始まり、それに馴染めない長男とどうコミュニケーションを取るのが正解なのか分からなくなってしまっていた。

でも、そもそも正解はない。(よね。分かってるのにね。)

ただ、属している社会のルールを優先して、子どもの気持ちを後回しにするのは違うよなと思った。
まず優先すべきは家族間の信頼関係を築くことだ。世間体はどうでもいいんだ。

今回の出来事で、育児の核の部分をしっかりと持てたと思う。
ほんっとに、親業しゅぎょう中ですわ。

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